義民のあしあと

南山義民(南山義民之碑)


現在の南会津郡の一帯は、江戸時代の半ばには南山御蔵入(みなみやまおくらいり)領として幕府の直轄地になっていましたが、もともと豪雪地帯で地味に乏しいところ、年貢の増徴や廻米の強制により百姓は疲弊していました。
そこで、享保5年(1720)、下郷の百姓が幕府の田島代官所を取り囲んで、年貢減免や石代納(年貢米の金銭納)などを求める強訴を行います。
しかし、代官所では埒が明かず、百姓の代表者が江戸表まで上り、幕府勘定所に訴状を提出しますが、幕府の取り調べの結果、一揆を扇動したとして6名が斬首となり、首は田島鎌倉崎(現南会津町)に晒されました。
その後、幕府でも江戸への廻米中止や新税の一部廃止を行ったため、地元では彼らを義民として讃え、丸山公園には「南山義民碑」が建てられています。


義民伝承の内容と背景

現在の福島県南会津郡の一帯は、江戸時代の半ばには南山御蔵入(みなみやまおくらいり)領として幕府の直轄地になっていました。
江戸と奥州の地理的な関係から見て、戦略的には重要な場所ではあるものの、もともと豪雪地帯で地味に乏しく、面積が広大な割に石高は5万石を超える程度でした。

百姓らは年貢の増徴をはじめ、年貢米を江戸まで廻米するための労役により疲弊し、ついに享保5年(1720)、下郷の百姓が幕府の田島代官所を取り囲んで、年貢減免や石代納(年貢米の金銭納)、郷頭(代官の下で村々を支配していた村役人)制の廃止などを求める強訴を行います。
しかし、代官所では権限を超えるとして埒が明かず、翌年になって、百姓の代表者として、布沢村名主孫右衛門を頭取に、15名が江戸表まで上り、幕府勘定所に訴状を提出することになり、受理はされたものの裁定は長びき、追加で江戸まで上った者もありました。

事態を重く見た幕府では、江戸に上った名主、百姓らが地域の代表者であるという根拠を突き崩す作戦に出て、彼らが国許不在の間に、領内全戸の取り調べを始め、恐怖を感じた百姓らから、一揆の資金を出すことを強制されたなどの言質を引き出します。

その結果として、享保7年(1722)、一揆を扇動したとして名主孫右衛門の弟である茂左衛門をはじめとして、小栗山村喜四郎、新遠路村久次右衛門、滝沢村喜左衛門、黒谷村儀右衛門、界村兵左衛門の6名が死罪獄門となり、首は田島に送られて鎌倉崎(現南会津町)に晒されました。

この一件は「南山御蔵入騒動」「会津御蔵入騒動」「五万石騒動」「南山一揆」などと呼ばれていますが、その後、幕府でも代官の山田八郎兵衛を罷免し、南山を会津藩の預かり地とすることにより、実質的に江戸への廻米中止や新税の一部廃止を行ったため、地元では彼らを義民として讃え、昭和3年(1928)に丸山公園内に地元の漢学者杉原夷山の撰文による「南山義民之碑」が建てられたほか、昭和16年にもこの地を訪れた詩人の土井晩翠が「南山義民」の話に感動して「目にみえぬ 神秘の力 我を引き 義民の墓に 今日詣でしむ」と詠み、その歌碑も残されています。
また、近年では地元の若者らにより、南山義民6名中ただ1人田島で処刑された喜四郎を主人公とした現代版組踊「息吹~南山義民喜四郎伝」の公演なども行われています。


南山義民之碑へのアクセス

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名称

南山義民之碑 [参考リンク]

場所

福島県南会津郡南会津町田島地内
(この地図の緯度・経度:37.2009, 139.7682)

備考

「南山義民之碑」及び「南山義民地蔵尊」は、ともに丸山歴史公園内にあります。アクセスの方法はいくつかありますが、まずは会津田島の観光スポットとなっている旧南会津郡役所の駐車場まで行き、ここから建物の裏手に回れば、すぐに登山口の入口に六地蔵と石碑が並んでいるのがわかります。


「小栗山喜四郎墓」(37.2008, 139.7677)は、義民地蔵尊脇から階段を上って右手奥の山の中腹に位置しており、解説板も整備されています。


「喜四郎顕彰碑」(37.4369, 139.5294)は、喜四郎の故郷であるこ栗山集落内、国道400号沿いの消火栓脇にあります。現地には解説板も設置されています。


もう一つの「小栗山喜四郎墓」(37.4399, 139.5277)は、国道400号との分岐から県道237号線の坂道を150メートルほど登った付近の墓地の一角にあります。墓の後ろに案内の標柱が建てられています。




参考文献

リンク先のAmazonのページ下部に書誌情報(ISBN・著者・発行年・出版社など)があります。リンクなしは稀覯本や私家本ですが、国立国会図書館で借りられる場合があります。

東北地方 南山義民 南山一揆