義民のあしあと

大身村茂助(大身騒動晒場跡)


万延元年(1860)8月、福知山藩では家老の市川儀右衛門が主導した年貢増徴や専売制強化などの改革に反対した大規模な一揆、いわゆる「市川騒動」が起こります。
これに影響されて、綾部藩領の丹波国天田郡大身村(現在の京都府福知山市)でも「大身騒動」と呼ばれる一揆が発生し、園部藩領や亀山藩領などになっている周辺の船井郡にも拡散します。
本来は代表が窮状を訴えることを考えていたようですが、細野峠に集まった農民たちは暴徒化し、商家や庄屋の屋敷を打ちこわした上、竹槍を構えて園部陣屋にまで迫ろうとします。
一揆勢は藩士に鎮圧されて散り散りになり、後に各藩や京都奉行所に送られ詮議の上、綾部藩については大身村の茂助が首謀者として獄門に処せられ、その首は細野峠に3日間晒されました。
このとき茂助の首を晒した場所に「大身騒動晒場跡」の碑が建っています。


目次
  1. 大身騒動晒場跡の概要
  2. 大身騒動晒場跡へのアクセス
  3. 義民伝承の内容と背景
  4. 参考文献

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大身騒動晒場跡へのアクセス

注意
文中に特定の場所の緯度・経度が記載されている場合は、検索ボックス内に値(例えば「35.689634, 139.692101」)をコピーして検索ボタンをクリックすれば、該当する場所の地図(Googleマップ)が表示されます。

名称

大身騒動晒場跡 [参考リンク]

場所

京都府福知山市三和町菟原中地内
(この地図の緯度・経度:35.1955, 135.2810)

備考

「大身騒動晒場跡」は、地図ではわかりにくいですが、福知山市三和町菟原中・三和町大身を結ぶ山道の途中にあります。その入口を緯度・経度で示せば、大身口が「35.1959, 135.2855」、菟原中口が「35.1967, 135.2667」あたりとなります。

この山道は「歴史の道百選」に選定されているため、県道97号側道にある特定公共賃貸住宅「ヴェルデみわ」の入口付近、国道9号の福知山市・京丹波町の行政界付近に、それぞれ「山陰道細野峠」と書かれた案内板が設置されています。特に、菟原中口のほうには平成20年度卒業記念で菟原小学校の児童が製作した絵図が掲げられています。

「大身騒動晒場跡」はこの山道のルートのなかでも大身口に近い側にあり、峠からの坂道をやや下った平場のあたりです。現地には案内板と標柱が建っています。


義民伝承の内容と背景

万延元年(1860)8月、福知山藩では家老の市川儀右衛門が主導した年貢増徴や専売制強化などの改革に反対した大規模な一揆、いわゆる「市川騒動」が起こります。

福知山藩領の周囲は綾部藩・園部藩・亀岡藩・篠山藩・鶴巻藩領や旗本領が入り組んでおり、各藩でもその波及を恐れて警戒を強めていましたが、同年11月13日、ついに綾部藩領の丹波国天田郡大身村(現在の京都府福知山市)を中心とした「大身騒動」と呼ばれる一揆に発展しました。

本来は年貢減免や物価引き下げを求めて大身村の庄屋・横田甚六が頭目となり強訴に及ぶ予定だったところ、細野峠に集まった農民たちが暴徒化し、大身村のほかにも隣村の菟原中村や船井郡下大久保村はじめ、当時多くの商家が集まっていた船井郡須知村のほうまで拡大します。

農民たちは日頃から高額な酒を売り付け、酒造の時期には原料の米を買い占めていたことを理由に、上大久保村の酒屋・辻金右衛門の屋敷に押し入ったのを皮切りとして、多くの商家や庄屋の屋敷を打ちこわしたり、食事の提供や米の値下げを強要しています。商家のなかには自主的に一揆勢を酒食でもてなして打ちこわしを免れたところもありました。

こうして2千人規模で集まった一揆勢は園部陣屋の近くまで押し寄せますが、園部藩や亀山藩の逆襲に遭って捕縛される者が出るに及んで、散り散りになって在地に戻り、4日間にわたる「大身騒動」は終息を迎えます。

その後、捕らえられた農民たちは各藩や京都町奉行所に送られて詮議を受けますが、綾部藩では大身村の茂助を斬首獄門に処し、その首を細野峠に3日間にわたって晒しました。いっぽうで『丹波誌』が伝えるところでは、甚六が牢死もせずに村に帰ってきたため、他人に罪を負わせたと誹謗されて家が没落してしまったといいます。

細野峠がある街道は現在では国道と県道に挟まれた人通りのほとんどない山道となっていますが、文化庁による「歴史の道百選」の一つ「山陰道―細野峠越」に選定され、茂助が梟首された場所に「大身騒動晒場跡」の碑や案内板が建てられています。



参考文献・参考資料


書誌情報(ISBNコード・著者・発行年・出版社)はリンク先下部に記載があります。リンクがないものは稀覯本や私家本ですが、国立国会図書館で収蔵している場合があります。

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