福祉法令解説

手話通訳者養成カリキュラム



手話通訳者養成カリキュラム

手話通訳者の養成カリキュラムについては、厚生労働省が「手話奉仕員及び手話通訳者養成カリキュラム」を次の通り定めている。
手話奉仕員及び手話通訳者の養成カリキュラム等について
(平成10年07月24日障企第63号各都道府県・各指定都市障害保健福祉主管部(局)長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長通知)

2 手話通訳者養成カリキュラム
対象者 手話を駆使して特定の聴覚障害者と日常会話が可能な者
養成目標 身体障害者福祉の概要や手話通訳の役割・責務等について理解と認識を深めるとともに、手話通訳に必要な手話語彙、手話表現技術及び基本技術を習得する。
カリキュラム構成 基本課程 35時間 到達目標 ① 対象の聴覚障害者の理解を確認しながらであれば手話通訳が可能なレベル
② 申請手続き等手話以外のコミュニケーション手段が付随する場面で通訳が可能なレベル
養成目標 ① 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:600語に新たに300語を追加)を習得する。
② 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な表現技術を習得する。
③ 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な基本技術を習得する。
カリキュラム 〔別表3〕
応用課程 35時間 到達目標 一部難しい内容は聴覚障害者の理解の確認が必要であるが、日常場面の手話通訳は基本的に可能なレベル
養成目標 ① 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:900語に新たに300語を追加)を習得する。
② 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な表現技術の応用を習得する。
③ 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な基本技術の応用を習得する。
カリキュラム 〔別表4〕
実践課程 20時間 到達目標 聴覚障害者の理解力に応じた手話通訳が可能なレベル
養成目標 ① 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:1,200語に新たに300語を追加)を習得する。
② 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な実践的表現技術を習得する。
③ 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な実践的基本技術を習得する。
カリキュラム 〔別表5〕
合計 90時間


別表3 手話通訳者基本課程カリキュラム
教科名 時間数 目的(学習の目標) 内容 講義担当職種例
講義 手話通訳の心構え 2 手話通訳者として必要な基本知識を習得するとともに、手話通訳者の役割を理解する。 1 手話通訳者として必要な基本知識
2 手話通訳者の役割
手話通訳士
身体障害者福祉概論 1 障害者基本法及び身体障害者福祉法等の概要を理解する。 1 障害者基本法の概要
2 身体障害者福祉法の概要
3 新長期計画・障害者プランの概要
福祉関係職員
ソーシャルワーク概論 2 ケースワーク、グループワーク、コミュニティーワークの学習を通じて面接技術を習得する。 1 ケースワーク論
2 ケースワーク演習
大学教員
社会福祉士
ケースワーク担当者
実技 手話通訳能力の向上(1) 11 1 手話通訳に必要な表現能力を習得する。
2 メッセージ蓄積能力の向上を図る。
3 要約能力の向上を図る。
4 手話語彙を習得する。
1 ビデオ、録音テープによるシャドーイングトレーニング
2 聴覚障害者の手話シャドーイングトレーニング
3 ビデオ、録音テープによるサマリートレーニング
①日本語表現から日本語での要約
②手話表現から同じ手話での要約
③日本語表現から手話での要約
④手話表現から別の手話での要約
⑤手話表現から日本語での要約
講師講習会修了者
聴覚障害者
手話通訳の技術(基本) 9 1 手話通訳に必要な基本技術を習得する。
2 手話語彙を習得する。
1 逐次通訳技術の習得(聞き取り)
要約表現と完全表現
2 逐次通訳技術の習得(読み取り)
要約表現と完全表現
3 同時通訳技術の習得(聞き取り)
①日本語に則した表現
②手話文法に則した表現
4 同時通訳技術の習得(読み取り)
①日本語に則した表現
②手話文法に則した表現
講師講習会修了者
聴覚障害者
場面における手話通訳技術(1) 10 1 通訳場面における遵守事項、留意事項を習得する。
2 通訳場面における個別の通訳技術を習得する。
3 手話語彙を習得する。
1 申請場面での通訳練習
伝達内容の確認
2 電話の通訳練習
相手の状況の情報提供
3 あいさつ場面での通訳練習
不特定多数の聴覚障害者に対応する場合の通訳方法
4 面接場面での通訳練習
①聴覚障害者の話しやすい表現技術
②相互の主張を明確に伝える表現技術
③相手に対する情報提供
5 会議場面での通訳練習
①聴覚障害者の発言保障ができる通訳技術
②場面状況の情報提供
講師講習会修了者
聴覚障害者
合計 35
(注)1 シャドーイングトレーニングとは、話し手の表現をほぼ同時に真似をして表現する練習をいう。
2 サマリートレーニングとは、メッセージを要約する練習をいう。
3 聴覚障害者が講義を担当する際には、適宜、手話通訳が必要である。


別表4 手話通訳者応用課程カリキュラム
教科名 時間数 目的(学習の目標) 内容 講義担当職種例
講義 手話通訳の理念と仕事(1) 2 手話通訳のメッセージ伝達の仕組み及び手話通訳者の職務を理解する。 1 手話通訳のメッセージ伝達の仕組み
2 手話通訳者の職務
①コミュニケーションの伝達
②情報提供
③自立支援、援助
手話通訳士
ことばの仕組み 2 日本語の言葉としての特徴及び日本の手話の言語としての特徴を理解する。 1 日本語の言語としての特徴
2 日本の手話の言語としての特徴
大学教員等
手話通訳者の健康管理 1 手話通訳労働が身体及び精神に及ぼす疲労や影響を正しく理解し、健康に手話通訳活動ができる条件を習得する。 1 手話通訳のメカニズム
2 健康管理の方法
専門医師
手話通訳士
実技 手話通訳能力の向上(2) 11 1 手話通訳に必要な表現能力を習得する。
2 メッセージ蓄積能力の向上を図る。
3 要約能力の向上を図る。
4 手話語彙を習得する。
1 ビデオ、録音テープによるデカラージシャドーイングトレーニング
2 聴覚障害者の手話デカラージシャドーイングトレーニング
3 ビデオ、録音テープによるサマリートレーニング(イントラリンガルトレーニング)
①日本語表現から日本語での要約
②手話表現から同じ手話での要約
③日本語表現から手話での要約
④手話表現から別の手話での要約
⑤手話表現から日本語での要約
講師講習会修了者
聴覚障害者
手話通訳の技術(応用) 9 1 手話通訳に必要な基本技術の応用能力の向上を図る。
2 手話語彙を習得する。
1 逐次通訳技術の習得(聞き取り)
要約表現と完全表現
2 逐次通訳技術の習得(読み取り)
要約表現と完全表現
3 同時通訳技術の習得(聞き取り)
①日本語に則した表現
②手話文法に則した表現
4 同時通訳技術の習得(読み取り)
①日本語に則した表現
②手話文法に則した表現
講師講習会修了者
聴覚障害者
場面における手話通訳技術(2) 10 1 通訳場面における遵守事項、留意事項を習得する。
2 通訳場面における個別の通訳技術を習得する。
3 手話語彙を習得する。
1 講演場面での通訳練習
通訳事例研究
2 会議場面での通訳練習
通訳事例研究
3 面接場面での通訳練習
通訳事例研究
講師講習会修了者
聴覚障害者
合計 35
(注)1 デカラージシャドーイングトレーニングとは、話し手の表現を2~3語遅らせて模倣する練習をいう。
2 イントラリンガルトレーニングとは、メッセージ内容を把握した後にそれを別の言葉に置き換える練習をいう。
3 聴覚障害者が講義を担当する際には、適宜、手話通訳が必要である。


別表5 手話通訳者実践課程カリキュラム
教科名 時間数 目的(学習の目標) 内容 講義担当職種例
講義 手話通訳の理念と仕事(2) 1 手話通訳者の倫理と具体的通訳場面での責務を理解する。 1 手話通訳者の倫理
2 通訳場面と手話通訳者の責務(具体的な場面を想定した受講者同士の意見交換を含む。)
手話通訳士
手話通訳者登録制度の概要 1 手話通訳者登録制度の概要を理解し、受講後の登録試験の受験及び登録後の活動への参加意欲を高める。 1 手話通訳者登録制度の仕組み
2 手話通訳者活動に当たっての心構え
3 手話通訳者活動の実際
4 手話通訳者登録に当たってのオリエンテーション
行政職員(手話通訳養成等担当者)
聴覚障害者団体役員
実技 手話通訳実習 18 通訳実習を行うことにより通訳の実際を体験する。 1 模擬通訳場面練習
通訳事例研究
2 手話通訳実習
①申請場面
②面接場面
講師講習会修了者
聴覚障害者
合計 20
(注) 聴覚障害者が講義を担当する際には、適宜、手話通訳が必要である。

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