鹿沼市福祉事務所の生活保護の手続き
生活保護とは、資産や能力のすべてを活用してもなお生活に困窮する人に対して、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。
支給される保護費は、地域や世帯の状況によっても異なることがあります。
栃木県鹿沼市は「生活保護法による保護の基準」でいう3級地-1に該当するため、以下の表中の金額や説明文も、同じ級地の場合を前提としています。(住んでいる地域がどの級地に該当するかによって、もらえる保護費の金額に違いがあります。)
令和元年10月に生活保護の基準が改正されました。
ショートカットメニュー |
働きによる収入と控除
毎月の勤め先の会社からの給料やボーナスなどの働きによる収入があったときには、福祉事務所などに届け出なければなりません。ただし、このような働きによる収入については、交通費などの必要経費や収入の金額に応じて定められた基礎控除額が差し引かれて認定されますので、基本的にはこの基礎控除額は手元に残るものと考えてよいといえます。また、単身者などを除く未成年者の場合には、未成年者控除を差し引くことができます。
生活保護法による罰則
生活保護法のなかでは不正受給などを想定した罰則の規定が設けられています。たとえば、生活保護法第85条においては、不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとされています。このような場合、不正に得た金額は福祉事務所などに返還しなければならないほか、不正受給がわかった段階で福祉事務所などから警察に告訴または告発されることがあります。
鹿沼市福祉事務所へのアクセス
名称 | 鹿沼市福祉事務所 |
---|---|
住所 | 〒322-8601 栃木県鹿沼市今宮町1688-1 |
備考 |
※注意
生活保護費の見直しが平成30年10月・令和元年10月(以上実施済み)、令和2年(2020年)10月の3段階で実施されます。以下の「生活保護費の計算方法」は令和元年変更にあわせたものですが、将来の見直しで単価が変わることがあるので注意が必要です。
生活保護費の計算方法
栃木県鹿沼市にお住まいの場合、級地としては「3級地-1」に該当しますので、生活保護基準は以下のとおりとなります。
生活扶助
生活扶助のうち、食費や被服費などの個人単位の経費の見積もりにあたる第1類費は、生活保護を受給する世帯に属する人の年齢をもとに、世帯としての基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計をそれぞれ求めます。
年齢区分 | 生活扶助基準(第1類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
0~2歳 | 17890円 | 22810円 | 38340円 |
3~5歳 | 22560円 | 25650円 | 38340円 |
6~11歳 | 29160円 | 29420円 | 39220円 |
12~17歳 | 36010円 | 33510円 | 41030円 |
18~19歳 | 36010円 | 33510円 | 40740円 |
20~40歳 | 34460円 | 32880円 | 40740円 |
41~59歳 | 32680円 | 33680円 | 40740円 |
60~64歳 | 30890円 | 33350円 | 40740円 |
65~69歳 | 30890円 | 33350円 | 38950円 |
70~74歳 | 27680円 | 28940円 | 38950円 |
75~歳 | 27680円 | 28940円 | 35160円 |
世帯の人数に応じた逓減率を、第1類費の基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計にそれぞれ乗じます。
世帯の人数が多ければ、効率的にお金を使う生活ができるため、その分だけ基準額を減額する趣旨です。
人員 | 逓減率① | 逓減率② | 逓減率③ |
---|---|---|---|
1人 | 1 | 1 | 1 |
2人 | 1 | 0.885 | 0.8548 |
3人 | 1 | 0.835 | 0.7151 |
4人 | 0.95 | 0.7675 | 0.601 |
5人 | 0.9 | 0.714 | 0.5683 |
第2類費は、電気、ガス、水道などの光熱費や家具、食器の費用などといった、世帯単位で支出される経費です。
このため、第1類費とは逆に、世帯人数に応じてその額が増加するようになっています。
逓減率を乗じた後の第1類費の合計に、この第2類費をプラスします。
なお、地域によって冬場の寒さが違い、暖房費の需要も違うということに配慮して、冬季(10月又は11月~3月又は4月)には地域別(全国Ⅰ地域~Ⅵ地域の6区分)の冬季加算が別途加算されます。
人員 | 生活扶助基準(第2類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
1人 | 37160円 | 34910円 | 27690円 |
2人 | 41130円 | 42940円 | 40660円 |
3人 | 45600円 | 50620円 | 45110円 |
4人 | 47200円 | 52700円 | 47040円 |
5人 | 47570円 | 56200円 | 47070円 |
以上によって得られた「第1類費・第2類費②」の合計に3分の1を乗じ、「第1類費・第2類費③」の合計と「生活扶助本体に係る経過的加算」を足したものに3分の2を乗じて、両者をプラスしたものが生活扶助基準となります。
ただし、
- 「第1類費・第2類費②」が「第1類費・第2類費①」×0.9よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.9」と読み替える
- 「第1類費・第2類費③」が「第1類費・第2類費①」×0.855よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.855」と読み替える
なお、「経過的加算」は世帯の人数、家族の年齢、住んでいる場所の級地によってそれぞれ異なります。
加算制度
さらに、特別の需要のある人が必要とする生活費としての加算制度があり、第1類費、第2類費のほかに、次のように一定額を上積みすることができます。
ただし、「障害者加算」と「母子世帯加算」のように併給できないものもあります。
- 妊産婦加算
- 妊婦及び産後6か月までの産婦について、栄養補給等の特別な需要に対応。1級地及び2級地の場合、妊娠6か月未満9,130円、妊娠6か月以上13,790円、出産後6か月まで8,480円を加算。3級地の場合、同様にそれぞれ7,760円、11,720円、7,210円を加算。
- 介護施設入所者加算
- 介護施設に入所している人の教養・娯楽などの特別な需要に対応。1級地及び2級地は13,270円、3級地は11,280円を月額に加算。
教育扶助
小学校、中学校に通う児童生徒が義務教育を受ける場合の扶助として、月額によって次の表のような基準額にもとづく支給があるほか、学級費、教材費、給食費、交通費などが別途支給されます。
なお、高等学校については義務教育ではないため、「生業扶助」と呼ばれる別のグループの扶助での対応となります。
教育扶助基準 | ||
---|---|---|
区分 | 内容 | 基準額 |
基準額 | 学用品:鉛筆、ノート、消しゴム、体育用靴、笛、裁縫道具、書道用具など その他の教育費:遠足、社会見学等の校外活動費及び通学用靴、上履き等の通学用品購入費 | 小学校:2,600円 中学校:5,000円 |
学習支援費 | 学習参考書(教材代を除く)購入費、課外クラブ活動費 | 小学校:年間上限で15,700円以内 中学校:年間上限で58,700円以内 |
教材代・学校給食費・通学交通費 | 副読本、ワークブック、辞書等の購入費、校外活動のための宿泊費や施設利用料、通学に必要な最小限度の交通費等 | 実費支給 |
その他の扶助
これらのほかに、診療にかかった医療費の平均月額をもって基準とする「医療扶助」などのメニューごとに一定額が加算され、最終的な「最低生活費認定額」が割り出されます。
- 生業扶助
- 生業のための資金、器具、資料の購入費、技能を習得するための費用、就労のための費用、義務教育ではない高等学校に就学するための費用などを必要とする場合の扶助。
たとえば、技能修得費は81,000円以内、高校就学費は基準額が5,300円(月額)、学習支援費の年間上限が84,600円など。 - 介護扶助
- 高齢者、障害者が介護サービスを受けるときの扶助。本来自己負担する部分に充当されるのでケースごとに金額は異なる。
(上記は令和元年10月改正に準拠していますので、年度によって金額が異なることがあります。)
TAC出版編集部 (著), 本田 和盛 (監修), 得するお金の制度研究会 (その他)
Amazon アソシエイト