生駒市福祉事務所の生活保護の手続き
生活保護とは、資産や能力のすべてを活用してもなお生活に困窮する人に対して、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。
支給される保護費は、地域や世帯の状況によっても異なることがあります。
奈良県生駒市は「生活保護法による保護の基準」でいう2級地-1に該当するため、以下の表中の金額や説明文も、同じ級地の場合を前提としています。(住んでいる地域がどの級地に該当するかによって、もらえる保護費の金額に違いがあります。)
令和元年10月に生活保護の基準が改正されました。
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勤労控除について
生活保護は、生活困窮者に最低生活の保障をすることを通じて自立を助長するための制度ですので、支給される保護費は最低生活費から収入を差し引いた残りの額というのが原則です。
しかし、勤労収入を得るためには、スーツ購入などの被服費、技能向上のための書籍代・セミナー代などの経費がかかることから、勤労収入のうちの一定額を控除する勤労控除が認められています。
あわせて、生活保護対象者の勤労意欲を高める目的で、勤労収入に比例して控除額も増加する方式(収入金額比例方式)がとられています。
そのほか、特別控除や新規就労控除のような控除制度も設けられています。
生活保護と入院入所者訪問
生活保護を受けている人が患者として病院に入院している場合は、少なくとも1年に1回以上、本人及び担当主治医に面接して、その病状等を確認することが生活保護のケースワーカーのしごとの一部となっています。また、生活扶助を目的とする施設や介護施設に入所している場合にも、同様に1年に1回以上訪問することになっています。
生駒市福祉事務所へのアクセス
名称 | 生駒市福祉事務所 |
---|---|
住所 | 〒630-0288 奈良県奈良県生駒市東新町8-38 |
備考 |
※注意
生活保護費の見直しが平成30年10月・令和元年10月(以上実施済み)、令和2年(2020年)10月の3段階で実施されます。以下の「生活保護費の計算方法」は令和元年変更にあわせたものですが、将来の見直しで単価が変わることがあるので注意が必要です。
生活保護費の計算方法
奈良県生駒市にお住まいの場合、級地としては「2級地-1」に該当しますので、生活保護基準は以下のとおりとなります。
生活扶助
生活扶助のうち、食費や被服費などの個人単位の経費の見積もりにあたる第1類費は、生活保護を受給する世帯に属する人の年齢をもとに、世帯としての基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計をそれぞれ求めます。
年齢区分 | 生活扶助基準(第1類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
0~2歳 | 19850円 | 24440円 | 41190円 |
3~5歳 | 25030円 | 27470円 | 41190円 |
6~11歳 | 32350円 | 31530円 | 42140円 |
12~17歳 | 39960円 | 35910円 | 44070円 |
18~19歳 | 39960円 | 35910円 | 43770円 |
20~40歳 | 38240円 | 35230円 | 43770円 |
41~59歳 | 36250円 | 36070円 | 43770円 |
60~64歳 | 34280円 | 35730円 | 43770円 |
65~69歳 | 34280円 | 35730円 | 41840円 |
70~74歳 | 30710円 | 31010円 | 41840円 |
75~歳 | 30710円 | 31010円 | 37780円 |
世帯の人数に応じた逓減率を、第1類費の基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計にそれぞれ乗じます。
世帯の人数が多ければ、効率的にお金を使う生活ができるため、その分だけ基準額を減額する趣旨です。
人員 | 逓減率① | 逓減率② | 逓減率③ |
---|---|---|---|
1人 | 1 | 1 | 1 |
2人 | 1 | 0.885 | 0.8548 |
3人 | 1 | 0.835 | 0.7151 |
4人 | 0.95 | 0.7675 | 0.601 |
5人 | 0.9 | 0.714 | 0.5683 |
第2類費は、電気、ガス、水道などの光熱費や家具、食器の費用などといった、世帯単位で支出される経費です。
このため、第1類費とは逆に、世帯人数に応じてその額が増加するようになっています。
逓減率を乗じた後の第1類費の合計に、この第2類費をプラスします。
なお、地域によって冬場の寒さが違い、暖房費の需要も違うということに配慮して、冬季(10月又は11月~3月又は4月)には地域別(全国Ⅰ地域~Ⅵ地域の6区分)の冬季加算が別途加算されます。
人員 | 生活扶助基準(第2類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
1人 | 41240円 | 37400円 | 27690円 |
2人 | 45640円 | 46000円 | 40660円 |
3人 | 50600円 | 54230円 | 45110円 |
4人 | 52390円 | 56470円 | 47040円 |
5人 | 52800円 | 60210円 | 47070円 |
以上によって得られた「第1類費・第2類費②」の合計に3分の1を乗じ、「第1類費・第2類費③」の合計と「生活扶助本体に係る経過的加算」を足したものに3分の2を乗じて、両者をプラスしたものが生活扶助基準となります。
ただし、
- 「第1類費・第2類費②」が「第1類費・第2類費①」×0.9よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.9」と読み替える
- 「第1類費・第2類費③」が「第1類費・第2類費①」×0.855よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.855」と読み替える
なお、「経過的加算」は世帯の人数、家族の年齢、住んでいる場所の級地によってそれぞれ異なります。
加算制度
さらに、特別の需要のある人が必要とする生活費としての加算制度があり、第1類費、第2類費のほかに、次のように一定額を上積みすることができます。
ただし、「障害者加算」と「母子世帯加算」のように併給できないものもあります。
- 介護施設入所者加算
- 介護施設に入所している人の教養・娯楽などの特別な需要に対応。1級地及び2級地は13,270円、3級地は11,280円を月額に加算。
- 児童養育加算
- 中学校修了前の児童の教養・文化的経費等の特別需要に対応。第1子・第2子で3歳未満の場合は11,820円、3歳以上の場合は10,190円を加算する。第3子以降の加算のルールも別にある。
教育扶助
小学校、中学校に通う児童生徒が義務教育を受ける場合の扶助として、月額によって次の表のような基準額にもとづく支給があるほか、学級費、教材費、給食費、交通費などが別途支給されます。
なお、高等学校については義務教育ではないため、「生業扶助」と呼ばれる別のグループの扶助での対応となります。
教育扶助基準 | ||
---|---|---|
区分 | 内容 | 基準額 |
基準額 | 学用品:鉛筆、ノート、消しゴム、体育用靴、笛、裁縫道具、書道用具など その他の教育費:遠足、社会見学等の校外活動費及び通学用靴、上履き等の通学用品購入費 | 小学校:2,600円 中学校:5,000円 |
学習支援費 | 学習参考書(教材代を除く)購入費、課外クラブ活動費 | 小学校:年間上限で15,700円以内 中学校:年間上限で58,700円以内 |
教材代・学校給食費・通学交通費 | 副読本、ワークブック、辞書等の購入費、校外活動のための宿泊費や施設利用料、通学に必要な最小限度の交通費等 | 実費支給 |
その他の扶助
これらのほかに、診療にかかった医療費の平均月額をもって基準とする「医療扶助」などのメニューごとに一定額が加算され、最終的な「最低生活費認定額」が割り出されます。
- 生業扶助
- 生業のための資金、器具、資料の購入費、技能を習得するための費用、就労のための費用、義務教育ではない高等学校に就学するための費用などを必要とする場合の扶助。
たとえば、技能修得費は81,000円以内、高校就学費は基準額が5,300円(月額)、学習支援費の年間上限が84,600円など。 - 住宅扶助
- アパートや賃貸一戸建て住宅を借り上げるために支払う家賃や地代、住宅の補修などに応じた扶助。家賃、間代、地代等の額として1・2級地は13,000円以内、3級地は8,000円以内が一般基準だが、実際には世帯人員や床面積、地域に応じた特別基準で運用されており、たとえば東京都内の1級地で単身世帯の上限は53,700円以内となる。
(上記は令和元年10月改正に準拠していますので、年度によって金額が異なることがあります。)
TAC出版編集部 (著), 本田 和盛 (監修), 得するお金の制度研究会 (その他)
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