十津川村福祉事務所の生活保護の手続き
生活保護は、あらゆる手段を尽くしても生活費を確保することが困難な状態にある人に対して、国が最低限度の生活を保障するとともに、自立した生活を助長するために支援をするための制度のことです。
奈良県吉野郡十津川村は「生活保護法による保護の基準」でいう3級地-2に該当するため、以下の表中の金額や説明文も、同じ級地の場合を前提としています。(住んでいる地域がどの級地に該当するかによって、もらえる保護費の金額に違いがあります。)
令和元年10月に生活保護の基準が改正されました。
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生活保護と課税調査
生活保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるものとされています。この原則にしたがって、被保護者の収入の状況を客観的に把握するため、税金関係の書類が出揃う毎年6月以降、自治体の福祉事務所の生活保護担当では、被保護者の課税状況を調査して、収入申告額と突き合わせて不審な点がないかどうかを確認する作業が行われます。
いわゆる貧困ビジネスと生活保護
生活保護受給者のような生活に困窮している人を対象とした、搾取的なビジネスの存在が全国的な問題となっています。
こうしたいわゆる貧困ビジネスの類型としては、生活保護受給者に簡易宿泊所を提供するもの、受給者にかわって預金通帳の管理を行うもの、掃除や洗濯などの家事サービスを継続的に提供するものなどがあり、一見すると便利なように見えながら、その実態は受給者を劣悪な環境に置いて自立の機会を奪い、保護費を搾取するだけとなっています。
それぞれの自治体でも貧困ビジネスへの対応を講じてきており、たとえば「さいたま市被保護者等住居・生活・金銭管理サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例」では、宿泊所を提供する際の床面積の基準や契約時の説明義務などを定めるとともに、市による指導、立入調査、事業の停止命令、業者名の公表などの対抗措置についても定めています。
十津川村福祉事務所へのアクセス
名称 | 十津川村福祉事務所 |
---|---|
住所 | 〒637-1333 奈良県奈良県吉野郡十津川村小原225-1 |
備考 |
※注意
生活保護費の見直しが平成30年10月・令和元年10月(以上実施済み)、令和2年(2020年)10月の3段階で実施されます。以下の「生活保護費の計算方法」は令和元年変更にあわせたものですが、将来の見直しで単価が変わることがあるので注意が必要です。
生活保護費の計算方法
奈良県吉野郡十津川村にお住まいの場合、級地としては「3級地-2」に該当しますので、生活保護基準は以下のとおりとなります。
生活扶助
生活扶助のうち、食費や被服費などの個人単位の経費の見積もりにあたる第1類費は、生活保護を受給する世帯に属する人の年齢をもとに、世帯としての基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計をそれぞれ求めます。
年齢区分 | 生活扶助基準(第1類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
0~2歳 | 16910円 | 21860円 | 36940円 |
3~5歳 | 21310円 | 24560円 | 36940円 |
6~11歳 | 27550円 | 28180円 | 37780円 |
12~17歳 | 34030円 | 32100円 | 39520円 |
18~19歳 | 34030円 | 32100円 | 39250円 |
20~40歳 | 32570円 | 31500円 | 39250円 |
41~59歳 | 30880円 | 32260円 | 39250円 |
60~64歳 | 29200円 | 31960円 | 39250円 |
65~69歳 | 29200円 | 31960円 | 37510円 |
70~74歳 | 26620円 | 27730円 | 37510円 |
75~歳 | 26620円 | 27730円 | 33870円 |
世帯の人数に応じた逓減率を、第1類費の基準額①の合計、基準額②の合計、基準額③の合計にそれぞれ乗じます。
世帯の人数が多ければ、効率的にお金を使う生活ができるため、その分だけ基準額を減額する趣旨です。
人員 | 逓減率① | 逓減率② | 逓減率③ |
---|---|---|---|
1人 | 1 | 1 | 1 |
2人 | 1 | 0.885 | 0.8548 |
3人 | 1 | 0.835 | 0.7151 |
4人 | 0.95 | 0.7675 | 0.601 |
5人 | 0.9 | 0.714 | 0.5683 |
第2類費は、電気、ガス、水道などの光熱費や家具、食器の費用などといった、世帯単位で支出される経費です。
このため、第1類費とは逆に、世帯人数に応じてその額が増加するようになっています。
逓減率を乗じた後の第1類費の合計に、この第2類費をプラスします。
なお、地域によって冬場の寒さが違い、暖房費の需要も違うということに配慮して、冬季(10月又は11月~3月又は4月)には地域別(全国Ⅰ地域~Ⅵ地域の6区分)の冬季加算が別途加算されます。
人員 | 生活扶助基準(第2類) | ||
---|---|---|---|
基準額① | 基準額② | 基準額③ | |
1人 | 35130円 | 33440円 | 27690円 |
2人 | 38870円 | 41120円 | 40660円 |
3人 | 43100円 | 48480円 | 45110円 |
4人 | 44610円 | 50480円 | 47040円 |
5人 | 44990円 | 53840円 | 47070円 |
以上によって得られた「第1類費・第2類費②」の合計に3分の1を乗じ、「第1類費・第2類費③」の合計と「生活扶助本体に係る経過的加算」を足したものに3分の2を乗じて、両者をプラスしたものが生活扶助基準となります。
ただし、
- 「第1類費・第2類費②」が「第1類費・第2類費①」×0.9よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.9」と読み替える
- 「第1類費・第2類費③」が「第1類費・第2類費①」×0.855よりも少ない場合は、「第1類費・第2類費①×0.855」と読み替える
なお、「経過的加算」は世帯の人数、家族の年齢、住んでいる場所の級地によってそれぞれ異なります。
加算制度
さらに、特別の需要のある人が必要とする生活費としての加算制度があり、第1類費、第2類費のほかに、次のように一定額を上積みすることができます。
ただし、「障害者加算」と「母子世帯加算」のように併給できないものもあります。
- 介護保険料加算
- 生活保護を受けている人が負担すべき介護保険の第1号保険料に対応。加算額は保険料の実費に同じ。
- 在宅患者加算
- 在宅の傷病者で栄養補給を必要とする人のための特別な需要に対応。1級地・2級地は13,270円、3級地は11,280円を加算。
教育扶助
小学校、中学校に通う児童生徒が義務教育を受ける場合の扶助として、月額によって次の表のような基準額にもとづく支給があるほか、学級費、教材費、給食費、交通費などが別途支給されます。
なお、高等学校については義務教育ではないため、「生業扶助」と呼ばれる別のグループの扶助での対応となります。
教育扶助基準 | ||
---|---|---|
区分 | 内容 | 基準額 |
基準額 | 学用品:鉛筆、ノート、消しゴム、体育用靴、笛、裁縫道具、書道用具など その他の教育費:遠足、社会見学等の校外活動費及び通学用靴、上履き等の通学用品購入費 | 小学校:2,600円 中学校:5,000円 |
学習支援費 | 学習参考書(教材代を除く)購入費、課外クラブ活動費 | 小学校:年間上限で15,700円以内 中学校:年間上限で58,700円以内 |
教材代・学校給食費・通学交通費 | 副読本、ワークブック、辞書等の購入費、校外活動のための宿泊費や施設利用料、通学に必要な最小限度の交通費等 | 実費支給 |
その他の扶助
これらのほかに、診療にかかった医療費の平均月額をもって基準とする「医療扶助」などのメニューごとに一定額が加算され、最終的な「最低生活費認定額」が割り出されます。
- 住宅扶助
- アパートや賃貸一戸建て住宅を借り上げるために支払う家賃や地代、住宅の補修などに応じた扶助。家賃、間代、地代等の額として1・2級地は13,000円以内、3級地は8,000円以内が一般基準だが、実際には世帯人員や床面積、地域に応じた特別基準で運用されており、たとえば東京都内の1級地で単身世帯の上限は53,700円以内となる。
- 出産扶助
- 出産をするときの扶助。たとえば、級地問わず施設分娩であれば295,000円以内、居宅分娩であれば259,000円以内。。その他入院料の実費相当の加算額や、出産予定日の急変の場合の特別基準などがある。
(上記は令和元年10月改正に準拠していますので、年度によって金額が異なることがあります。)
TAC出版編集部 (著), 本田 和盛 (監修), 得するお金の制度研究会 (その他)
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