高岡市社会福祉事務所の生活保護の手続き
生活保護は、あらゆる手段を尽くしても生活費を確保することが困難な状態にある人に対して、国が最低限度の生活を保障するとともに、自立した生活を助長するために支援をするための制度のことです。
富山県高岡市は「生活保護法による保護の基準」でいう2級地-1に該当するため、以下の表中の金額や説明文も、同じ級地の場合を前提としています。(住んでいる地域がどの級地に該当するかによって、もらえる保護費の金額に違いがあります。)
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扶養照会の判断基準
「親族と音信不通」などの理由から扶養照会が不要となるケースについて、判断基準の見直しが行われています。くわしくは本文中の扶養照会の判断基準についてを参照してください。健康に関わる扶助
生活保護の決定を受けた人に対して支給される保護費には、さまざまな種類がありますが、身体や健康に関連したものもそのなかに含まれています。
たとえば、医療扶助は、病気やケガの治療や療養のため、病院などの医療機関に対して支払う費用が該当します。
介護扶助は、介護保険のサービスを利用するために必要となる費用です。
出産扶助は、赤ちゃんを産むために要する費用です。
ほかに、葬祭に必要な費用に充てる葬祭扶助もあります。
生活保護の要件とは
生活保護は世帯単位で行い、世帯の全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、最低限度の生活の維持のために活用することが前提とされています。
すなわち、銀行預金や土地、建物などの不動産があれば、これを売却して生活費に充てることや、申請者に働く能力があれば、積極的に働くことによって収入を得ること、さらに、年金や手当などの別の手段が活用できれば、そうした制度によって収入を売ることなどが、生活保護を受ける上での前提条件となります。
また、親族などからの援助が受けられる場合には、その援助を受けた上で、なお世帯収入が最低生活費に満たない場合にのみ、保護が適用されるということになります。
高岡市社会福祉事務所へのアクセス
名称 | 高岡市社会福祉事務所 |
---|---|
住所 | 〒933-0057 富山県富山県高岡市広小路7-50 |
備考 |
※注意
生活保護費の見直しが平成30年10月・令和元年10月、令和2年(2020年)10月の3段階で実施されています。以下の「生活保護費の計算方法」は令和2年の変更にあわせたものです。
生活保護費の計算方法
富山県高岡市にお住まいの場合、級地としては「2級地-1」に該当しますので、生活保護基準は以下のとおりとなります。
生活扶助
生活扶助のうち、食費や被服費などの個人単位の経費の見積もりにあたる第1類費は、生活保護を受給する世帯に属する人の年齢をもとに、世帯としての基準額①の合計と基準額②の合計をそれぞれ求めます。
年齢区分 | 生活扶助基準(第1類) | |
---|---|---|
基準額① | 基準額② | |
0~2歳 | 19850円 | 41190円 |
3~5歳 | 25030円 | 41190円 |
6~11歳 | 32350円 | 42140円 |
12~17歳 | 39960円 | 44070円 |
18~19歳 | 39960円 | 43770円 |
20~40歳 | 38240円 | 43770円 |
41~59歳 | 36250円 | 43770円 |
60~64歳 | 34280円 | 43770円 |
65~69歳 | 34280円 | 41840円 |
70~74歳 | 30710円 | 41840円 |
75~歳 | 30710円 | 37780円 |
第1類費の基準額①の合計と基準額②の合計に、世帯の人数に応じた逓減率をそれぞれ掛けます。
世帯の人数が多ければ、効率的にお金を使う生活ができるため、その分だけ基準額を減額するのが、この掛け算の意味です。
人員 | 逓減率① | 逓減率② |
---|---|---|
1人 | 1 | 1 |
2人 | 1 | 0.8548 |
3人 | 1 | 0.7151 |
4人 | 0.95 | 0.601 |
5人 | 0.9 | 0.5683 |
第2類費は、電気、ガス、水道などの光熱費や家具、食器の費用などといった、世帯単位で支出される経費です。
このため、第1類費とは逆に、世帯人数に応じてその額が増加するようになっています。
逓減率を掛けた後の第1類費の合計に、この第2類費の金額を足します。
なお、地域によって冬場の寒さが違い、暖房費の需要も違うということに配慮して、冬季(10月又は11月~3月又は4月)には地域別(全国Ⅰ地域~Ⅵ地域の6区分)の冬季加算が別途加算されます。
人員 | 生活扶助基準(第2類) | |
---|---|---|
基準額① | 基準額② | |
1人 | 41240円 | 27690円 |
2人 | 45640円 | 40660円 |
3人 | 50600円 | 45110円 |
4人 | 52390円 | 47040円 |
5人 | 52800円 | 47070円 |
令和2年(2020年)10月からの生活扶助の基準額は、
なお、「経過的加算」は世帯の人数、家族の年齢、住んでいる場所の級地によってそれぞれ異なります。
加算制度
さらに、特別の需要のある人が必要とする生活費としての加算制度があり、第1類費、第2類費のほかに、条件にあてはまれば「児童養育加算」「母子加算」「障害者加算」「介護保険料加算」などがプラスされます。
その他の扶助
これらのほかに、診療にかかった医療費にあてるための「医療扶助」、小中学校に通う児童生徒が義務教育を受けるための「教育扶助」などのメニューごとに一定額が加算され、最終的な「最低生活費認定額」が割り出されます。
(上記は令和2年10月改正に準拠していますので、年度によって金額が異なることがあります。)
扶養照会の判断基準について
生活保護の申請があった場合、福祉事務所ではその人の親族に対して援助できるかどうかを問い合わせる「扶養照会」を行うのが通例となっています。最近はコロナウイルス感染症の拡大により、仕事を失うなどして生活に困窮する人が増えていますが、この「扶養照会」によって親や兄弟などに困窮の事実が知られてしまうことを恐れ、生活保護の申請をためらうケースがみられます。このため、厚生労働省では「扶養照会」を不要とする例を改めて次のとおり全国の自治体に通知しています。
令和3年2月26日付各都道府県・指定都市・中核市生活保護担当課宛て厚生労働省社会・援護局保護課事務連絡「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について」
1.扶養義務のある親族が生活保護受給者、未成年者、おおむね70歳以上の高齢者などの場合
2.申請者が扶養義務のある親族から借金を重ねている、相続をめぐって対立している、縁を切られている、10年程度音信不通であるなど、特別な事情があって明らかに援助を受けることができない状態にある場合
【特に今回の通知で従来の「20年程度音信不通」から「10年程度音信不通」へと基準が緩和されています。】
3.申請者がDVや児童虐待を受けた経緯があるなど、援助を受けることでかえって自立が阻害されてしまう場合
TAC出版編集部 (著), 本田 和盛 (監修), 得するお金の制度研究会 (その他)
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