八坂神社

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八坂神社は、京都市内の祇園町にある神社で、全国の八坂神社、祇園神社などの素盞鳴尊を祀る神社の総本社とされています。斉明天皇の時代に創建されたと伝わり、国家の大事に際して特に奉幣がある皇城の守護神「二十二社」のひとつにも数えられます。御霊会に起源をもつ八坂神社の祭礼「祇園祭」は、山鉾巡行をはじめとする絢爛豪華なもので、多くの観光客が訪れます。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 中御座:素戔嗚尊
東御座:【主祭神】櫛稲田姫命 【配祀】神大市比売命、佐美良比売命
西御座:【主祭神】八柱御子神(八島篠見神、五十猛神、大屋比売神、抓津比売神、大年神、宇迦之御魂神、大屋毘古神、須勢理毘売命の総称) 【配祀】稲田宮主須賀之八耳神
所在地 京都府京都市東山区祇園町北側625
交通 京阪電鉄京阪本線「祇園四条駅」から徒歩で約5分
京都駅(八条口)から京都市営バス経由で約20分、「祇園」停留所下車
名神高速道路「京都南IC」から車で約20分
拝観料 無料
駐車場 南楼門の向かって左側(八坂神社結婚式場「常磐新殿」わき)に舗装済みの有料駐車場あり【1時間600円、身障者区画あり】
URL
連絡先 八坂神社 075-561-6155

歴史・由来

八坂神社は、京都市左京区祇園町にある神社で、全国の八坂神社、祇園神社などの素盞鳴尊を祀る神社の総本社とされています。

なお、素盞鳴尊・牛頭天王を中心とする、いわゆる「祇園信仰」の総本社としては、他にも兵庫県の広峯神社、愛知県の津島神社などが挙げられることがあります。

この八坂神社は、斉明天皇2年(656年)、高句麗の伊利之使主(いりしおみ)が創建し、古くから牛頭天王(ごずてんのう)を祀っていたものとされていますが、もともとインド固有の神であった牛頭天王は、仏教に採り入れられて、釈迦が説法を行った場所とされる祇園精舎の守護神となり、さらに本朝では素盞鳴尊と習合して同一視されています。

牛頭天王は基本的には行疫神(疫病神)の一種ですが、祀り上げてなだめすかすことによって、逆にその強大な力で疫病などの災厄から守ってくれるものと信じられ、八坂神社の祭礼である「祇園祭」も、貞観11年(869)の悪疫流行の折に京都神泉苑で怨霊をなだめるために行われた「御霊会」が起源であるとされています。

平安時代には、国家の大事があった際に朝廷から特別に奉幣を受ける神社として、伊勢神宮をはじめ、京都やその周辺の国々に鎮座する22の神社が固定化して「二十二社」の制度が確立しますが、八坂神社はその21番目として組み込まれています。

八坂神社は明治以前には「祇園社」、あるいは別当寺から「祇園感神院」と呼ばれていましたが、神仏分離にともない「八坂神社」を称するとともに、主祭神も牛頭天王から素盞鳴尊に改められています。

毎年7月に行われる祇園祭は、葵祭と時代祭に並ぶ「京都三大祭」、高山祭と秩父夜祭に並ぶ「日本三大曳山祭」、天神祭と神田祭に並ぶ「日本三大祭」などの一角を占めるもので、絢爛豪華な山鉾の巡行は、京都の町衆の心意気を今に示すものとして、国指定重要無形民俗文化財、ユネスコの無形文化遺産にもなっており、多くの観光客が見物に訪れます。

また、四条通の突き当たりに建つ八坂神社の西楼門は、室町時代の明応6年(1497)につくられた貴重なもので、江戸時代の承応3年(1654)につくられ、拝殿部分を別棟にしない独特な「祇園造」の本殿とともに、国の重要文化財に指定されています。

境内末社の「美御前社」は、かつては弁財天とも習合し、美貌の神とされている宗像三女神を祀るもので、特に若い女性の参拝が絶えず、社殿前には御神水の「美容水」が湧き出ているほか、美御前社にちなんだ特製のあぶらとり紙なども授与品として頒布されています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】四条通突き当たりの八坂神社西楼門は石階段で車椅子不可。南楼門も石階段あり。自動車で円山公園内まで迂回が必要。

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【2】円山公園内の身障者トイレ。この付近までは自動車で進入可(転回場がある)。トイレは一般と共用のため間口が狭く注意。

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【3】トイレ付近から境内へ。階段だが一部スロープのため介助があれば車椅子可。公園内からの他の入口も段差はないが自動車が近くまで進入できない。

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【4】公園内からのルートのほか、神社駐車場から車椅子で常磐新殿・社務所内部を経由して境内に出ることも可能。ただし儀式の際は難しいので事前連絡を。

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【5】八坂神社の本殿。付近の参道は石畳で、他は薄く玉砂利が敷かれており、車椅子でも移動は容易。


八坂神社境内図

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 有名な四条通沿いの西楼門や南楼門からは石段があるため、一見すると車椅子での参拝は不可のようだがそうでもない。境内に隣接する円山公園内で自動車から車椅子を降ろし、美御前社あたりを目印にして進めば階段は避けられる。なお、西楼門から円山駐車場まではかなりの急坂なので、車椅子に乗ったまま迂回するのは難しく、公園内の転回場まで自動車(あるいはタクシー)を乗り入れてから降車すべき。ほかに、境内駐車場から常磐新殿内を通って社務所に出て、そのまま境内に向かうという手段もある。身障者トイレは円山公園内にあるが、入口が狭く使い勝手は良くないので注意が必要。なお、常磐新殿内にも身障者トイレがあるようだが未詳。

周辺の名所・観光スポット

祇園新橋伝統的建造物群保存地区

祇園社の門前町として発展してきた地域のなかでも、新橋通、白川南通界隈は、特に江戸時代に茶屋町として開発が進んだ場所で、現在でも茶屋様式の京風町家が整然と並び、桜並木や白河の流れとあいまって、美しい景観を醸しだしています。このため、文化財保護法にもとづく伝統的建造物群保存地区として選定されています。
【路面は平坦な石畳で車椅子移動可。付近の京都市鴨東駐車場に身障者トイレあり。】

■参考リンク:祇園新橋伝統的建造物群保存地区保存計画