上御霊神社

神社
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上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)は、京都市上京区にあり、「応仁の乱」の前哨戦の舞台となった場所として知られています。桓武天皇の時代、疫病が流行したことを御霊(怨霊)の祟りであるとして、「御霊会」を催して慰めたのが、この神社のおこりであるとされています。神社に残る神輿や牛車などの宝物は皇室から寄進されたものてあり、崇敬のほどがうかがえます。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 【主祭神】八所御霊(崇道天皇、井上大皇后、他部親王、藤原大夫人、橘大夫、文大夫、火雷神、吉備大臣)
【配祀神】三社明神(相殿:小倉実起、小倉公連、中納言典待局、小倉季判)、和光明神(若宮:菅原和子)
所在地 京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495
交通 京都市営地下鉄「鞍馬口駅」から徒歩で約3分
京都駅から京都市バス経由で約20分、「烏丸鞍馬口」停留所下車、徒歩約5分(土日のみ運行につき注意)
拝観料 無料
駐車場 南門から境内の未舗装の駐車場に進入可(約10台、無料)
URL
連絡先 御靈神社(上御霊神社) 075-441-2260

歴史・由来

上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)は、京都市上京区にあり、「応仁の乱」の前哨戦の舞台となった「応仁の乱発祥の地」として知られています。

正式な表記は「御靈神社」ですが、中京区に「下御霊神社」が別にあるため、「上御霊神社」の通称が用いられることが多いといえます。

平安京を開いた桓武天皇の時代、疫病の流行は現世で非業の死を遂げた御霊(怨霊)の祟りであるとして、これを慰撫する「御霊信仰」が生まれますが、上御霊神社はこの「御霊信仰」を背景にして誕生した神社といえます。

すなわち、延暦13年(794)、藤原種継暗殺事件に連座して淡路に配流される途中で憤死して怨霊化した早良親王(実際には天皇にはなっていないが「崇道天皇」と追号される)を祀ったのがはじまりとされています。

なお、平安遷都以前から、この場所には出雲氏の氏寺として「出雲寺(上出雲寺)」と称する寺院があり、もとは御霊神社もその鎮守であり、現在でも境内からは軒丸瓦などの遺物がみられるといいます。

その後、貞観5年(863年)には京都・神泉苑で「御霊会」が催され、崇道天皇のほか、伊予親王、藤原大夫人(藤原吉子)、橘大夫(橘逸勢)、文大夫(文室宮田麻呂)、観察使(藤原仲成または藤原広嗣とされる)の6柱が祀られました。

上御霊神社でも、祭神は伊予親王および観察使に代わって井上大皇后(井上内親王)、他戸親王が充てられるなど微妙に違いはあるものの、これにあわせて祭神として祀られるようになり、のちに以上の荒魂として火雷神と、吉備聖霊(吉備真備)があわせて祀られることになりました。

室町時代の文正2年(1467)には、畠山政長が上御霊神社に陣を張り、畠山義就と当主の座をめぐって合戦に及んだ「御霊合戦」が勃発し、これが京都をゆるがす「応仁の乱」の前哨戦となったことで知られています。

この神社は皇室の崇敬もあつく、神社に残る神輿は後陽成天皇、後水尾天皇御から、牛車は後陽成天皇から寄進されたものといいます。

車椅子で旅行するポイント

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【1】地下鉄鞍馬口駅方面から上御霊神社への入口。公道の縁石の段差を越えると、その先の楼門に階段がある。

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【2】楼門の階段は左脇の戸口から迂回可能。ここも多少の段差はあるがスロープ状にはなっている。

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【3】南門は自動車も通れるため楼門と違い階段はない。縁石その他多少の段差はあるが介助があれば問題なし。

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【4】南門を入ると未舗装の駐車スペースがあるので、ここで自動車から降車して車椅子に乗り換えるとよい。

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【5】上御霊神社の社殿。参道は石畳、周囲は薄く玉砂利が敷かれているが、おおむね平坦である。


上御霊神社境内図

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 特に身障者用の整備があるわけではないが、南門からは多少の段差で済むので介助があれば車椅子でも支障はない。南門から境内に自動車で進入することも可能。境内そのものは石畳か玉砂利でおおむね平坦になっている。

周辺の名所・観光スポット

祇園新橋伝統的建造物群保存地区

祇園社の門前町として発展してきた地域のなかでも、新橋通、白川南通界隈は、特に江戸時代に茶屋町として開発が進んだ場所で、現在でも茶屋様式の京風町家が整然と並び、桜並木や白河の流れとあいまって、美しい景観を醸しだしています。このため、文化財保護法にもとづく伝統的建造物群保存地区として選定されています。
【路面は平坦な石畳で車椅子移動可。付近の京都市鴨東駐車場に身障者トイレあり。】

■参考リンク:祇園新橋伝統的建造物群保存地区保存計画