室の八嶋(大神神社)

室の八嶋

大神(おおみわ)神社は、栃木県栃木市にある神社で、かつての下野国総社にあたります。社伝によれば、崇神天皇の時代に大和国から大神神社を勧請したのがはじまりといいます。境内の池のなかにある8つの島には小祠が祀られており、これが多くの古歌に登場する歌枕のひとつ「室の八嶋」の名残とされています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 主祭神:倭大物主櫛𤭖玉命(大国主神)
相殿神:大山咋命、瓊々杵命、木花咲耶姫命、彦火々出見命、火照命
所在地 栃木県栃木市惣社町477
交通 東武鉄道宇都宮線「野州大塚駅」から徒歩約15分
または「野州大塚駅」からふれあいバス(大宮国府線北回り)経由で約3分、「国府郵便局前」停留所下車、徒歩約3分
北関東自動車道「都賀IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 境内周囲に舗装済または砕石敷の無料駐車場あり
URL
連絡先 大神神社社務所 0282-27-6126
ただし、太平山神社(電話:0282-22-0227)の兼務社のため、通常時は社務所が無人です。御朱印なども行事の際を除いて太平山神社で受け付けています。

歴史・由来

大神(おおみわ)神社は、栃木県栃木市にある神社で、かつては「惣社大明神」「六所明神」「室八嶋大明神」と呼ばれていました。 

古代の国司にとって、国内の神社を巡拝して幣帛を分かつ「国司神拝」は重要な職務のひとつでしたが、実際に現地を訪れるのに代えて、国府の近くに「惣社(総社)」を建てて国内の神社を勧請し、1か所でまとめて祭祀が行えるようにしていました。
この神社も下野国の「惣社」にあたり、境内の南3キロ先からは古代下野国庁の遺跡も発掘されています。

社伝によれば、天災が多いのを憂いた崇神天皇が、大和国三輪山から「室の八嶋」に大物主神ほかを勧請し、豊城入彦命をして祀らせたのがこの神社のはじまりです。
平安時代の『延喜式』神名帳に「都賀郡 三座 並小 大神社」とあるのはこの神社のことであるともされていますが、江戸時代の『下野国誌』が指摘するように、通常は総社が神名帳に載ることはなく、式内社ではないという説もあります。

また、「室の八嶋」は下野国内にあった景勝地であり、能因法師が編んだ『玄々集』に(藤原)実方中将の作として「いかてかは 思ありとは しらすへき むろのやしまの 煙ならては」とあるとおり、平安時代以降、恋心に身を焦がす煙を連想させる歌枕のひとつとして広く和歌の題材に詠み込まれ、私撰集・勅撰集を問わず多くの類歌が残されています。
現在の大神神社の境内には、木花開耶姫命を祀る富士浅間神社をはじめとした小祠が建つ8つの島が浮かぶ池があり、この池のことを「室の八嶋」と通称していますが、かつての「室の八嶋」は別のより大きなエリアを指していた可能性があります。

この神社は天正12年(1584)に皆川広照と北条氏直との戦闘により焼失して荒廃していたところ、寛永13年(1636)の徳川家光の社参を契機として社領30石が寄進され、天和2年(1682)には社殿が再建されています。
『奥の細道』にも元禄2年(1689)に松尾芭蕉が室の八嶋を訪れたとあり、その際同行した曽良が木花開耶姫命に関わる神社の縁起を説いています。

大神神社では春の4月16日にもっとも近い日曜日が「春季例大祭」の日にあたり、飾り馬が奉納されるとともに境内で流鏑馬が行われ、その結果によって一年の農作物の豊凶が占われます。
また、秋の11月23日を中心とする3日間には「秋季例大祭」、通称「御鉾祭り」が行われ、地域から「おくるめ様」と呼ばれる童女が抜擢されて神事に奉仕する習わしとなっています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】大神神社正面は長い平坦な参道が続くが、水路を渡る橋に2段の石段があるので駐車場側から進入するのがよい。

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【2】大神神社の境内西側に駐車場(舗装・砕石)があり、駐車場奥からは境内の拝殿方面・室の八嶋方面のいずれにも段差なく移動できる。

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【3】境内は玉砂利が敷かれ、正面参道の社殿手前2か所に石段があるものの、左脇にそれぞれスロープが併設されている。

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【4】【2】から室の八嶋の池入口へ。道幅が狭いので車椅子では難しいが、徒歩で筑波神社から島伝いに香取神社まで抜けられるようになっている。



室の八嶋(大神神社)境内図

境内配置図 [凡例]
表参道 親鸞聖人草庵遺跡 左門神社 右門神社 祖霊社 大杉神社 福神神社 室の八嶋 筑波神社 天満宮 鹿島神社 雷電神社 富士浅間神社 熊野神社 二荒山神社 香取神社 下社務所 トイレ 西参道 護国神社 御神庫 社務所 拝殿 本殿 大杉みこし庫 神宮 中社務所 神具庫 神楽殿 東参道 お仮屋 神宮寺遺跡 栃木県道2号宇都宮栃木線 室の八嶋入口交差点 栃木市国府公民館 

移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況
大神神社は南側の県道方面からかなり長い参道を経て境内に至るつくりだが、自動車で境内西側の駐車場に直接乗り付けることもできるようになっている。駐車場の奥で西参道と合流し、標高がやや高い拝殿方向・標高が低い室の八嶋方向のいずれにも移動が可能である。拝殿から表参道を下って室の八嶋方向に行く経路には2か所ほど石段があるが、脇にスロープが併設されている。トイレは身障者用ではないので、1キロほど西側の県道2号線沿いにある国府公民館を利用する。

周辺の名所・観光スポット

とちぎ蔵の街美術館

「とちぎ蔵の街美術館」は、かつて日光例幣使街道の宿場町として、また巴波川(うずまがわ)の水運の拠点として栄えた「蔵の街」である栃木市を代表する美術館のひとつです。築約200年という「善野家土蔵」、通称「おたすけ蔵」を改修して内部を美術館にしたもので、定期的に栃木市ゆかりの作家を中心とした美術工芸品の収蔵品展やテーマに応じた展示会などを開催しています。
【身障者用トイレ・スロープ・階段昇降機あり。障害者手帳所持者および介助者1名まで無料。】

■参考リンク:とちぎ蔵の街美術館 Tochigi Kuranomachi Museum of Art

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