小國神社

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小國神社は、静岡県周智郡森町、本宮山の南麓にある神社で、御祭神は大己貴命です。欽明天皇の時代に本宮山に御神霊が下ったために社殿を造営したとされています。遠江国一宮として朝廷や武家の崇敬が篤く、徳川家康も社殿を再建するなどしています。花菖蒲や桜、紅葉の名所としても知られており、正月の初詣客も25万人ほどに及ぶ人気のスポットです。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 大己貴命
所在地 静岡県周智郡森町一宮3956-1
交通 新東名高速道路「森掛川IC」から車で約15分、または「遠州森町スマートIC」から車で約10分
天竜浜名湖鉄道「遠江一宮駅」から送迎マイクロバス(日曜日及び指定日運行)で約10分
拝観料 無料
駐車場 約800台収容の無料駐車場が門前にあります。「車両祓所」に向かう車両は、門前駐車場の中(正面向かって右側の川沿いの境内道路を進むルート)を通って拝殿近くまで乗り入れできます。
URL
連絡先 小國神社 0538-89-7302

歴史・由来

小國神社は、静岡県周智郡森町、本宮山の南麓にある神社で、御祭神は大己貴命です。

創建時期は不明ですが、社伝によれば欽明天皇16年(555)に本宮山に神霊が下り、そこに社殿を造営したのがはじまりといわれます。六国史のひとつである『続日本後紀』に平安時代初期の承和7年(840)の神階授与の記事がみえるほか、『延喜式』の式内社にもなっています。

古来、皇族や武家の崇敬が篤く、中世には遠江国一の宮(ほかに静岡県掛川市の「事任八幡宮」も遠州一の宮を称する。)と位置づけられ、境内には勅使を迎えるための専用の「勅使参道」も残っています。

元亀3年(1572)、小國神社の南にある一宮城(真田城)城主の武藤氏定が武田信玄に内応した際、小國神社の社殿は徳川家康方によって焼き払われますが、天正3年(1575)には本多重次に命じて社殿を再建、慶長8年(1603)には朱印地590石を寄進しています。二の鳥居前には家康の「立あがり石」と伝わる岩があるほか、徳川綱吉など江戸時代の歴代将軍も社殿の修築などを行っています。

この神社は願い事が叶うという意味の「許登麻知(ことまち)神社」とも呼ばれており、境内にある「事待池」は願い事が叶ったあかつきに鯉を放つことで知られます。一の鳥居前には「小國ことまち横丁」と称する土産物屋も並び、市街地から距離があるにもかかわらず、平日でも多くの観光客でにぎわっています。

小國神社例大祭で奉納されている「十二段舞楽」は、大宝元年(701)の勅使奉幣の際にはじめて舞われたと伝えられ、天正18年(1590)からは大祢宜の鈴木左近(鈴木太郎左衛門)家が舞楽役を務め受け継がれています。舞楽には奇抜な形相の納曽利や龍王(陵王)などの仮面が登場し、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

小國神社の御神域は30万坪といい、境内入口近くには40万本の花菖蒲が植えられた「一宮花菖蒲園」があり、6月には「花菖蒲まつり」が開かれるほか、4月の「桜まつり」、11月の「紅葉祭」などに代表される、花と紅葉の名所としても知られます。また、正月の初詣客も例年約25万人に及ぶなど、地元では特に人気のスポットになっています。

車椅子で旅行するポイント

小國神社

【1】門前に無料駐車場。奥のことまち横丁では茶菓類を販売。

小國神社

【2】門前駐車場には身障者トイレがある。

小國神社

【3】参道は玉砂利敷で平坦。途中に事待池、勅使参道などあり。

小國神社

【4】休憩所には自販機、身障者トイレ、ギャラリー、ベンチがある。

小國神社

【5】休憩所奥に清潔な身障者用トイレがある。

小國神社

【6】鳥居の段差は木製スロープで解消されている。

小國神社

【7】小國神社拝殿。参道は石畳、他は玉砂利敷で平坦。スロープで賽銭箱の位置へ移動可。

小國神社

【8】さらに移動困難者は門前駐車場から車祓所方向に直進。

小國神社

【9】拝殿至近にも来客駐車場、車祓所があり移動距離を最短にできる。




小國神社境内図

境内配置図 [凡例]
本殿 拝殿 神徳殿 参集殿 授与所 社務所 舞殿 斎館 弓道場 ひょうの木 立あがり石  全国一宮等合殿社 神幸所 西参道 八王子社 宗像社 事待池 鉾執社 手水舎 表参道 勅使参道 飯王子社 鳥居 花菖蒲園 小國ことまち横丁 宮川桟敷 宮川 遠州みもろ焼別所窯 静岡県道280号宮代赤根線 

移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況
小國神社の正面には舗装済みの駐車場や身障者用トイレがあり、ここから拝殿までは玉砂利が敷かれた長い表参道(270メートルほど)になっている。もしも玉砂利をできるだけ避けるのであれば、正面向かって右手奥にある宮川沿いの境内道路をそのまま自動車で直進して、神徳殿の手前まで乗り付けることが可能である。ここまで来れば参道は平坦な石畳が敷かれており、社殿にはスロープも取り付けられている。また、斎館脇の参拝者休憩所にはオストメイト対応の身障者トイレも設置されており、山奥のイメージに反して意外と参拝はしやすい神社である。

周辺の名所・観光スポット

掛川花鳥園

約9千平米の大温室に熱帯の花々と鳥類を集めた施設。温室内に放し飼いにされたインコ、ふくろう、オニオオハシなどの鳥たちとのふれあいが楽しめるほか、「バードショー」ではふくろうや鷹の低空飛行を見物できる。バイキングレストランには天井から吊り下げられた2千株の花々が年間を通して咲いている。
【バリアフリー施設。身障者用トイレ・車椅子貸出・「バードショー」の車椅子専用エリアあり。】

■参考リンク:掛川花鳥園