会津勝常寺

寺院
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勝常寺は、福島県河沼郡湯川村にある真言宗の寺院です。平安時代に徳一が創建したという「会津五薬師」の一つで、会津盆地の中央に位置するため「会津中央薬師」とも呼ばれます。本尊の薬師如来像をはじめ多くの仏像が平安時代の創建時から伝来し、国宝・重要文化財に指定されているほか、毎年4月には薬師如来の祭礼として「勝常念佛踊り」も行われています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 薬師如来
所在地 福島県河沼郡湯川村勝常代舞1764
交通 磐越自動車道「新鶴スマートIC」から車で約10分、または「会津若松IC」から車で約15分
拝観料 境内無料
ただし、4月1日~11月15日(火曜日、お盆時期を除く)に予約制による拝観の場合は灯明料500円
駐車場 境内の東西100メートルほど先にそれぞれ舗装された無料の村営駐車場あり(身障者区画各3)
URL
連絡先 瑠璃光山勝常寺 0241-27-4566

歴史・由来

勝常寺は、福島県河沼郡湯川村にある真言宗の寺院で、平安時代の大同2年(807)(または弘仁元年(810)とも)に徳一が創建したといわれています。

江戸時代に会津藩主・保科正之の命により編向井吉重が編纂した『会津旧事雑考』によれば、戦国時代の永禄11年(1569)に勝常寺住職・覚成が書いた「巌館銘」に「五箇寺所謂東方磐梯山恵日寺・南方火玉堂寺・西方日光寺・北方漆・中央勝常寺是也」の一節があるとされています。

当時から知られていた徳一開基伝説を持つ「会津五薬師」のなかでも、恵日寺をはじめとする東西南北の山間地に設けられた他の寺院とは異なり、庶民教化の拠点として会津盆地の中央に設けられていることから、この勝常寺は別名「会津中央薬師」とも呼ばれます。

かつては七堂伽藍を備えた大寺院であったといい、大永5年(1524)には会津地方を支配していた戦国大名の蘆名盛舜(あしなもりきよ)からも寺料20貫文の寄進を受けていますが、天正17年(1589)伊達政宗の会津侵攻(摺上原の戦い)による兵火や寺領没収などにより衰退し、もとは講堂だったとみられる室町初期の薬師堂(国重要文化財)を除く建物は江戸時代以降になって再建されたものです。

しかし、本尊の薬師如来像やその脇士の日光菩薩像、月光菩薩像をはじめとして、多くの仏像が平安時代初期の創建当時から伝来しており、今日では国宝や重要文化財に指定されています。

また、毎年4月28日には薬師如来の祭礼として「勝常念佛踊り」または「会津念佛踊り」と呼ばれる鉦・太鼓にあわせて豊作を祈願する踊りが行われていて、湯川村無形民俗文化財にも指定されています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】勝常寺前は路肩が広くなっており、仁王門またはトイレ脇から境内に入ることができる。

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【2】勝常寺境内は参道がコンクリート舗装、他は玉砂利が敷かれている。薬師堂や収蔵庫は階段があり内部には入れない。

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【3】勝常寺の本坊・新本堂へのアプローチは平坦なコンクリート舗装道になっており、新本堂にはスロープも設置されている。

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【4】勝常寺から東西それぞれ100メートルほど先には村営無料駐車場があり無料で駐車できる。

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【5】道の駅あいづや県道側の村営駐車場には身障者用トイレや身障者用の駐車区画が設けられている。




会津勝常寺境内図

境内配置図 [凡例]
薬師堂:室町時代のもので国重要文化財 仁王門:江戸時代 収蔵庫:国宝の日光・月光菩薩像、重要文化財の四天王像、地蔵菩薩像(雨乞いに使われた「雨降り地蔵」)などを収蔵 トイレ 土井晩翠ウォーナー碑:土井晩翠の歌碑と一体になった米美術史家ウォーナー(太平洋戦争時の空襲から日本国内の文化財を外すよう合衆国大統領に進言したとされるが異論もある)の顕彰碑 宗像神社 本坊 新本堂 覚成上人墓:戦国時代に京都仁和寺から下向して勝常寺を中興した覚成上人を供養する江戸時代の宝篋印塔 湯川村営駐車場 勝常公民館 勝常小学校 会津湯川の里:コシヒカリなどの地場産品を販売 道の駅あいづ 湯川・会津坂下 福島県道331号熊の目浜崎線

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 勝常寺には駐車場がないが、100メートル程度離れた東側の県道沿い、西側の村営墓地脇にそれぞれ舗装された村営駐車場があり、無料で駐車できるようになっている。もっとも勝常寺の仁王門前は路肩がやや広くなっているので一時的に停車して乗降する程度は可能である。境内には仁王門かトイレ脇から進入できるが多少の段差はある。境内は参道部分がコンクリート舗装、その他は玉砂利が敷かれている。薬師堂や収蔵庫は時期により拝観可能だが、両方とも階段があるので車椅子では内部に入れない。身障者用トイレは県道沿いの村営駐車場や南西1.5キロ先の道の駅あいづのものが利用できる。

周辺の名所・観光スポット

道の駅あいづ 湯川・会津坂下

「道の駅あいづ 湯川・会津坂下」とは、会津地方の中心にあたる湯川村と会津坂下町の2つの自治体が共同で整備した唯一の道の駅です。アスパラガスやトマト、会津人参(オタネニンジン)などの地元の名産品を即売する「農産分物マーケット」、会津本郷焼や会津塗などの伝統工芸品販売を中心とした「あいづ物産館」が開設されています。また、旬の野菜をふんだんに使った農家レストラン「くうべぇる」もオープンしており、ビュッフェ付きのランチメニューなどが人気です。
【身障者駐車場・多目的トイレ(オストメイト対応)・点字ブロックあり】

■参考リンク:道の駅あいづ 湯川・会津坂下