村松山虚空蔵堂

村松山虚空蔵堂(村松虚空蔵尊)は、茨城県東海村にある真言宗の寺院で、御本尊は虚空蔵菩薩です。伊勢朝熊山、柳津霊厳山とともに「日本三体虚空蔵尊」のひとつで、数え年13歳で智慧を授かるために参詣する「十三詣り」が有名です。周辺には原子力施設がありますが、海にほど近く、白砂青松に囲まれたところです。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 虚空蔵菩薩
所在地 茨城県那珂郡東海村村松8
交通 常磐自動車道「東海スマートIC」から車で約15分
拝観料 無料
駐車場 仁王門前に砕石敷の参拝者駐車場、国道245号沿い交差点付近に舗装された村営駐車場あり。いずれも無料。
URL
連絡先 村松山虚空蔵堂 029-282-2022

歴史・由来

村松山虚空蔵堂(村松虚空蔵尊)は、茨城県那珂郡東海村にある真言宗の寺院で、寺号を「日高寺」(日光寺)といい、御本尊は虚空蔵菩薩です。

平安時代の大同2年(807)、自ら一刀三拝の礼をもって刻んだ虚空蔵菩薩を安置するため弘法大師空海がこの寺を創建し、平城天皇から「村松山神宮寺」の勅額を賜ったと伝え、伊勢朝熊山の金剛證寺、会津柳津の圓蔵寺とともに、「日本三体虚空蔵尊」のひとつにあたる「大満虚空蔵尊」であるとされています。なお、何をもって「日本三体虚空蔵尊」というのかについては諸説があり、たとえば清澄寺圓蔵寺、村松山虚空蔵堂にある虚空蔵菩薩は同じ霊木からつくられた「一木三体」であるとする伝説もあります。

また、室町時代に編纂されたとみられる『神明鏡』には、慈覚大師円仁が東国下向の際、空に明星天子(神格化された金星のことで虚空蔵菩薩の化身とされる)が出現したので追いかけたところ常陸国村松に至り、「未だ日高し」の意味で日高寺を建てたという別の創建伝説を載せています。

中世には戦国大名佐竹氏の庇護を受け、多くの塔頭寺院を抱えていましたが、水戸和光院に残された年代記『和漢合運』によれば、文明17年(1485)に「佐竹の乱」(龍子山城などを落城させて常陸国に進撃した陸奥国大館城主・岩城常隆と常陸国太田城主・佐竹義治との合戦)で堂塔伽藍が焼失し、長享元年(1488)に白頭上人が勧進して堂宇を再建しました。

慶長15年(1610)には徳川家康から朱印地50石の寄進を受けますが、水戸藩2代藩主・徳川光圀は領内の社寺改革を進める過程で、虚空蔵菩薩像を修復して蓮台に「日域三虚空蔵之一」などと刻むとともに、旧領主だった佐竹氏の影響力を排除するために竜蔵院・竜光院を虚空蔵堂の別当寺と定め、宗派を修験道に改めています。

江戸時代にも村松山虚空蔵堂の名は広く知られていたらしく、元禄2年(1689)、陸奥国小佐井村・伊勢屋与兵衛の船が東廻り航路で難破した際、船頭の伊勢国黒部村・太郎兵衛ほか17名が髪を切って木板に括り付けて海に流し、村松の虚空蔵尊に願掛けをしたところ、板は村松海岸に漂着し、水夫らも無事に帰還できたのでお礼参りをしたという逸話が残っています。このときの木板は「霊験木」として村松山虚空蔵堂に奉納されたものを見ることができます。

明治3年(1870)、折からの廃仏毀釈を受けて一時「星の宮」に改称され、明治4年(1871)には旧称に復することが認められますが、明治33年(1900)には周辺民家の火災が類焼して再び本堂をはじめとする堂塔伽藍のほとんどを焼失し、その後大正から昭和にかけて、順次諸堂が再建されました。

この地方には、13歳になった少年が厄払いをし、虚空蔵菩薩の智慧を授けてもらう「十三詣り」の風習があり、入学前のシーズンには参拝者が多く訪れます。空海も室戸岬で虚空蔵菩薩を本尊とする記憶力増進のための修法「虚空蔵求聞持法」を行うなど、古くから虚空蔵菩薩は智慧の象徴として知られており、他にも「十三詣り」の風習は京都嵐山の法輪寺や会津柳津の圓蔵寺などが有名です。

車椅子で旅行するポイント

村松山虚空蔵堂

【1】仁王門左手に砕石敷の駐車場。門は階段につき左手の歩道に迂回。

村松山虚空蔵堂

【2】歩道は舗装済で平坦。本坊まで続いている。

村松山虚空蔵堂

【3】歩道の途中に身障者トイレあり。

村松山虚空蔵堂

【4】村松虚空蔵堂の本堂。正面に階段があり、賽銭箱は階段の上。



村松山虚空蔵堂境内図

境内配置図 [凡例]
本堂 本坊 庫裡 客殿 信徒会館 鐘楼堂 開運堂 仁王門 参詣者駐車場 村松大神宮:和銅年間創建と伝わる「茨城のお伊勢様」で古くは「五社明神」とも称した。徳川光圀が社殿を造営し改めて伊勢神宮の御分霊を勧請。 安産地蔵尊 鍾馗霊神堂 出世稲荷 奥之院多宝塔 三重之塔 村松晴嵐碑:「水戸八景」の一つで藩主・徳川斉昭が隷書で揮毫。 国道245号 村松虚空蔵尊交差点 真砂山墓地 村松宿集会所 日立市 大洗町

移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況 村松山虚空蔵堂へは国道245号の虚空蔵尊入口交差点から仁王門前まで自動車で乗り付け、無料の境内駐車場に駐車することができる。ここからは階段を避けて本坊方面に至る舗装路を通って本堂下まで移動することができ、途中に車いす用のトイレも設置されている。ただし、本堂の上まで行くには階段を通らなければならない。多宝塔や村松晴嵐碑方面も砂丘地帯の階段を登る遊歩道状のルートとなる。

周辺の名所・観光スポット

原子力科学館

「原子力科学館」は、日本原子力研究開発機構の前にある、日本で唯一の原子力に関する総合博物館で、公益社団法人茨城原子力協議会が運営しています。
館内ではアインシュタインをモチーフにしたキャラクターなどが、原子力や放射線の利用についての基礎的な事柄を紹介しています。
また、自然に降り注ぐ放射線の軌跡を観察できる、世界最大級の「霧箱」と呼ばれる古典的な観察装置が設置されています。
【身障者用トイレ・エレベーター・スロープ・車椅子貸出あり】

■参考リンク:原子力科学館