増上寺

寺院
寺院
この記事は約5分で読めます。

増上寺は、東京都港区にある浄土宗の大本山で、その後背地には東京タワーが聳えています。明徳4年(1393)、酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人によって開山され、江戸時代には徳川将軍家の菩提寺となっていたほか、僧侶の学問所である檀林も置かれていました。戦災をくぐり抜けた三解脱門は国の重要文化財に指定されています。ほかにも「法然上人伝」をはじめとする貴重な寺宝の数々を蔵しています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 阿弥陀如来
所在地 東京都港区芝公園四丁目7番35号
交通 都営地下鉄三田線「御成門駅」または「芝公園駅」から徒歩約3分
首都高速道路都心環状線「芝公園出入口」から車で約5分
拝観料 境内無料。
ただし、「増上寺宝物展示室」は入場料(一般)700円。「徳川将軍家墓所」拝観とセットで1,000円。
駐車場 境内各所に舗装駐車場(200台)はあるが、葬儀・団体拝観などを除き一般開放はしていないので、近隣の東京プリンスホテル駐車場(有料)などを利用する。
身障者車両は増上寺会館前に舗装駐車場(1台分、無断駐車禁止)あり。
URL
連絡先 増上寺 03-3432-1431

歴史・由来

増上寺は、東京都港区にある浄土宗の大本山で、その後背地には東京タワーが聳えています。

室町時代の明徳4年(1393)、浄土宗八祖の酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人が武蔵国豊島郡貝塚村(今の東京都千代田区紀尾井町あたり)にあった真言宗の光明寺を浄土宗に改宗し、「増上寺」と名付けたことをもって開山とされています。

酉誉聖聰は関東の名族・千葉氏胤の子にあたることから、中世にも千葉氏をはじめとする武将たちの庇護のもとで、関東における念仏布教の拠点として栄えました。

天正18年(1590)、源誉存応上人が住持のときに、江戸入府を果たした徳川家康の帰依を受けて徳川家の菩提寺となっており、慶長3年(1598)には江戸城の築城にともない現在地に移され、同18年(1613)には徳川家康から寺領1000石の寄進を受け、江戸時代を通じて最終的に1万石以上の寺領を有する大寺院となるに至りました。

現在では第二次世界大戦の戦災によりほとんど焼失していますが、増上寺境内には歴代徳川将軍の御霊屋が建ち並び、特に「台徳院」の院号を贈られた2代将軍・徳川秀忠とその夫人の御霊屋は日光東照宮を彷彿とさせる豪奢なもので、莫大な御霊屋料が寄進されたことが、寺領の増加の背景となっています。

また、増上寺は浄土宗のなかではトップとなる門跡寺院の京都・知恩院に対して、宗務を預かる総録所を置くナンバー2の立場を得るとともに、僧侶の学問所としての檀林が開かれ、「関東十八檀林」の第一と定められたことから、最盛時には3000名にも上る学僧がいたといいます。

明治以降は「社寺上知令」などによってその規模は大幅に縮小されていますが、戦災をくぐり抜けて現在も境内に残る「三解脱門」は元和8年(1622)建立のもので、国の重要文化財に指定されているほか、「紙本著色法然上人伝」をはじめとする貴重な寺宝の数々を蔵しています。

車椅子で旅行するポイント

増上寺_1.jpg

【1】増上寺の境内正面にある三解脱門。階段があるため脇の黒門か東京プリンスホテル角の坂道に迂回。

増上寺_2.jpg

【2】自動車ならば三解脱門から50メートル南側の黒門から境内に入ることができる。

増上寺_3.jpg

【3】増上寺会館前に舗装済みの駐車場があり、入口に近い側が身障者駐車場になっている。身障者手帳を提示して申出のこと。

増上寺_4.jpg

【4】会館内にはエレベーターと身障者トイレがある。会館内を通って2階に行くと大殿や安国殿がある境内に出られる。

増上寺_5.jpg

【5】反対側のプリンスホテルの坂道を使えば西向観音・安国殿を通って大殿まで移動でき、ルート上は舗装されている。




増上寺境内図

境内配置図 [凡例]
大殿 安国殿 西向観音 鐘楼堂 三解脱門 黒門 慈雲閣 経蔵 増上寺会館 光摂殿 納骨堂 貞恭庵 圓光大師堂 徳川将軍家墓所 墓地 熊野神社 芝縁 明徳幼稚園 旧台徳院霊廟惣門 ザ・プリンス パークタワー東京 有章院霊廟二天門 東京プリンスホテル プリンス空中庭園 もみじ谷 蛇塚 東京タワー 金地院 東京都道301号白山祝田田町線 東京都道409号日比谷芝浦線

移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況 増上寺は入口の三解脱門付近とメインの大殿や安国殿がある境内とでは標高差があり、正面からの参道には階段が設けられている。そのため南側の黒門から、または北側の西向観音付近から進入するルートをとる。黒門経由の場合は増上寺会館内のエレベーターを使うか、または脇道のスロープを利用する。身障者トイレも増上寺会館内にある。逆に西向観音経由の場合、この付近は安国殿・大殿に至るまで平坦地なので、都道から西向観音に至る坂道がクリアできれば移動は容易である。大殿も正面は階段だが、1階部分から入って内部のエレベーターで上がることはできる。安国殿も向かって右側に車椅子用のスロープが付いていて内部に入れる。

周辺の名所・観光スポット

東京タワー

1958年に竣工した地上333メートルの放送用鉄塔で、芝公園内にある。地上145メートルと150メートルのところに大展望台があり、都内の観光名所のひとつになっている。2013年からは、地上デジタルテレビ放送の送信用としては新たにできた東京スカイツリーに切り替えられている。東京タワーの下には徳川家の菩提寺である増上寺がある。
【身障者用トイレ、駐車場、エレベーター、車椅子貸出、身障者割引あり】

■参考リンク:東京タワー TokyoTower