子供の慢性的な病気のなかでも、小児がんのように、生命を長期にわたって脅かしたり、症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させるようなものなどについては、高額な医療費の負担をできるだけ軽減するため、国が「小児慢性特定疾病」に指定して、その医療費を助成する制度が設けられています。
小児慢性特定疾病医療費助成制度とは
子供の慢性的な病気のなかでも、小児がんのように、生命を長期にわたって脅かしたり、症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させるようなものなどについては、高額な医療費の負担をできるだけ軽減するため、国が「小児慢性特定疾病」に指定して、その医療費を助成する制度が設けられています。
小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象者
小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となるのは、それぞれの都道府県(または政令指定都市、中核市)に住所を有する18歳未満の児童です。
ただし、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合は、20歳未満の人を含みます。
小児慢性特定疾病の対象となる疾病
「小児慢性特定疾病」として医療費助成の対象となっているのは、児童福祉法第6条の2の規定にもとづき国が指定した14疾患群、722疾病です。
それぞれの疾病について、一定の基準が設けられており、申請後には指定医が書いた「医療意見書」などにもとづき、小児慢性特定疾病審査会における審査が個別に行われます。
対象疾病群
悪性新生物、慢性腎疾患、慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、内分泌疾患、膠原病、糖尿病、先天性代謝異常、血液疾患、免疫疾患、神経・筋疾患、慢性消化器疾患、染色体または遺伝子に変化を伴う症候群、皮膚疾患医療費助成の支給認定
「小児慢性特定疾病」についての医療費助成を受けようとする場合は、都道府県の指定医の「医療意見書」その他の書類を添えて、都道府県(通常は保健所)などに申請をしなければなりません。
都道府県は、「医療意見書」などにもとづき児童の病状の程度を判断して、医療費助成が必要と認めるときは、医療費支給認定を行います。
医療費助成の内容
「小児慢性特定疾病」として認定されると、疾病名などが記載された「小児慢性特定疾病医療受給者証」が交付されますので、受診の際に病院などに提示します。
これによって、医療保険適用後の自己負担額が、別に定める「月額自己負担上限額」を超える場合、その超える額が、公費から助成されます。
なお、「月額自己負担上限額」は、原則として世帯あたりの市町村民税または特別区民税の税額の区分によって決定されます。
申請に必要なもの(住んでいる地域および個々のケースによって異なる場合があります)
- 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書
- 小児慢性特定疾病医療意見書(必要に応じて「別紙」を含む)
- 世帯調書
- 健康保険証の写し(世帯全員のもの)
- (持っている人のみ)その他の医療証や身体障害者手帳
- 住民票(世帯全員分でかつ続柄が記載されたもの)
- 世帯の住民税額を証明する書類(課税証明書または非課税証明書、生活保護受給者証など)
- 認め印
自己負担上限額
階層区分 | 階層区分の基準 | ||||||
患者負担割合:2割 | |||||||
自己負担上限額(外来+入院) | |||||||
原則 | 小児慢性特定疾患医療継続者(H29.12.31まで) | ||||||
一般 | 重症(※) | 人工呼吸器等装着者 | 一般 | 小児慢性特定疾患治療研究事業の重症患者 | 人工呼吸器等装着者 | ||
生活保護 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
低所得Ⅰ | 市町村民税非課税 (世帯) 本人年収80万円以下 |
1,250 | 500 | 1,250 | 1,250 | 500 | |
低所得Ⅱ | 市町村民税非課税 (世帯) 本人年収80万円超 |
2,500 | 2,500 | ||||
一般所得Ⅰ | 市町村民税 課税以上7.1万円未満 |
5,000 | 2,500 | 2,500 | 2,500 | ||
一般所得Ⅱ | 市町村民税 7.1万円以上25.1万円未満 |
10,000 | 5,000 | 5,000 | |||
上位所得 | 市町村民税 25.1万円以上 |
15,000 | 10,000 | 10,000 | |||
入院時の食事療養費 | 1/2自己負担 | 自己負担なし |
※「重症」とは、(1)高額な医療が長期に継続する者(月ごとの医療費が5万円を超える月が年間6回以上ある場合)、(2)重症患者基準に適合する者